あかんべえ

あかんべえ(上) (新潮文庫) あかんべえ(下) (新潮文庫)
うーん、宮部みゆきの文章はちょっと・・・という印象。
前半はややオカルト的。主人公のおりんちゃんは、三途の川の周辺までいって引き返した経験から、亡者をみることができる。おりんちゃん親子が料理屋をひらいたのは墓場のあとで、5人も幽霊がついているというお家なんですね。
この5人の幽霊が戦隊ヒーローもののようにキャラがたってて、こわくないの。最初、オカルト?とおもったんだけど、そうでもない。なんつーか、ジュニア向けの小説を読んでるようなかんじ。
生きてる人も死んでる人も、それなりに大人の事情があるのだけど、そのへんは深くつっこまず。会話が多いし、ふだん本を読まない人がさらっと読める。もうちょっと江戸情緒がほしいよ。
幽霊同士の戦い(?)みたいなのは映画を観てるようです。B級映画
それでも、子供幽霊お梅が秀逸。登場からぞっとさせるし、かわいそうだし、会話のなかにあるように、『子供はよけいなことを考えない』から?
主役が子供だから、大人の事情はふかくかいてないのかなあ。