またミステリ

『氷の家』がヒットだったので、同じ作家のを借りてきたよ。主人公は離婚歴のある女性作家。出版社にせっつかれて、母と妹を惨殺した犯人のルポを書くことになる。が、インタビューするうちに無罪ではないかと思いはじめて・・・という筋です。『氷の家』では詩人の心を持つ刑事がでてくるんだけど、今回はシェイクスピアを引用する元刑事がでてきました。主人公の女性が孤独でけっこう美人、というのもいっしょです。ただし、今回は主役は殺人の容疑をかけられていない。いろいろなタイプの女性がリアルにかかれているのが、いかにも女性作家によるミステリ、というかんじです。女のコワサもよくでていて、いったい真実はどれ?という余韻ものこす。
結局、真犯人は別にいるのだけど、冤罪で在監中(服役という言葉はつかわれていない。)のオリーヴという女性の心の闇がすごく深い。監獄生活になれてしまって、自分で無罪をかちとるのが面倒なのか、だれかをかばっているのか。心が弱いのか、本当は狡猾なのか。女の心の二面性がくっきりでてて、これは男性作家の手にはおえまい!私が男だったら、ぞっとするやろな。殺人をおかしてないとしても、かなりコワイよ。